P--1359 P--1360 P--1361 #1一枚起請文 一枚起請文    源空述 もろこし我かてうにもろ〜の智者達のさたし申さるゝ観念の念にも非す 又学文をして念の心を悟りて申念 仏にも非す たゝ往生極楽のためには南無阿弥陀仏と申て 疑なく往生するそと思とりて申外には別の子さい候は す 但三心四修と申事の候は 皆決定して南無阿弥陀仏にて往生するそと思ふ内に籠り候也 此外におくふかき 事を存せは 二尊のあはれみにはつれ 本願にもれ候へし 念仏を信せん人は たとひ一代の法を能々学すとも 一 文不知の愚とんの身になして 尼入道の無ちのともからに同して ちしやのふるまいをせすして 只一かうに念仏 すへし [為証以両手印]   [浄土宗の安心起行此一紙に至極せり 源空か所存此外に全く別義を存せす 滅後の邪義をふせかんか為めに所存   を記し畢]             [建暦二年正月二十三日]                                            [源空(花押)] P--1362